タイ・ウエスト監督が、昨今の高齢化社会の首元に鋭いドスをぶっさす究極のサイコホラー『X エックス』を観て心から感動した。 古き良き80年代スラッシャーホラーへのリスペクトに満ちていて、いろんな作品のネタやオマージュがあって、ホラー大好きな人には…
今や誰もが認める世界最高峰のスター俳優であるトム・クルーズがブレイクした1986年の大ヒット作『トップガン』は、映画史における重要な一本である。 しかしだ。 その名作の36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』を観るために、わざわざ前作を予習す…
ハリーポッターはシリーズ途中で断念した。 というか、1作目から普通に面白くなくて、「クリス・コロンバスの映画けっこう好きだったのになあ」なんて残念な気持ちになりつつも、もしかしたら2作目から面白くなるのかもしれないとか思って『秘密の部屋』(2…
「マイケル・ベイ作品を映画館で観ない」なんてのは映画ファンにあってはならない選択肢であり、映画館に行くことはもはや義務。 【年度末にはちゃんと確定申告しましょう】とか【バイト開始時と終了時にはちゃんとタイムカードに打刻しましょう】とか【自動…
『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』がどれだけやべーかというと、鑑賞後に羅将カイオウの悪の演説を聞いたときのリンさながらに「く・・・狂っている・・・」とつぶやいてしまうほどやべーのである。 映画全体のぶっ飛んだイキオイとか、物語のムチャ…
当然のように俺は「GUCCI」のアイテムなど一度も所持したことはない。まったくお恥ずかしい限りである。 「いや高級ブランドなんかに興味ねーしw」などと鼻で笑っているが、要は経済的余裕が無いから手が出ないだけで、そもそも高級ブランドに「高級ブラン…
世の中に「死にたい人」ってどれくらいいるんだろうか? なんてことをつくづく考えてしまう作品だった。 いや、「死にたい」というより「生きていたくない」のほうが正しいニュアンスかも。 無気力、貧困、諦め、社会からの孤立。この世に絶望し、サバイバル…
熱心なホラーファンのみなさんが口をそろえて「マリグナントやべー!」とか言ってるこの状況、マジで最高である。 しかも今回は、日本公開時に『死霊館』みたいなダジャレタイトルでポップな感じで宣伝されずに、ちゃんとホラー映画らしくクールな広告で周知…
これもう、まさに「望んでいたモノが見れた」と言っても決して華厳の滝ではない、最強のバイオレンスアクション巨編だった。 ジェームズ・ガン監督マジで天才。 そもそも、俺はDCコミックの映画にはそれほど思い入れがなくて、しっかり劇場で見ているのは『…
今世紀最高にぶっ飛んだ映画を観た。 マジでこの映画はヤバすぎる。 アマプラ限定で配信されたクリス・プラット主演のSFアクション『トゥモロー・ウォー』を君は観たか? なに、観てない? 話にならんな! 全宇宙の映画ファン必見の超大作『トゥモロー・ウォ…
今世紀最高に頭の悪いキャッチコピー「音を立てたら超即死」。 映画の感想を書きたいのに、どうしてもキャッチコピーにモノ申したくなってしまうのは俺の悪いクセなんだけど、それを自覚しててもやっぱり言いたい。 ふざけんなと。 我が国の映画広告は、なぜ…
『ワイルド・スピード』シリーズ9作目となる最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の何が凄いって、やはりストーリーが文句なしに面白かったところが挙げられる。 今までのワイスピシリーズは、どちらかというとアクション重視の作品で、なんつー…
アリ・アスター監督は、いま世界一信用できる映画作家だ。俺の中で。 近年のオカルトホラーの中でも名作中の名作と名高い、監督第1作目の『ヘレディタリー/継承』といい、何がいちばん恐ろしいか? ってことをちゃんとわかってる人。 ヘレディタリーは、物…
コロナ禍の中で公開が何度も延期されつつも、全宇宙待望の中でやっとこ決まった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開封切日3/8は、なんと異例の月曜日だった。 つーことでスケジューリングの関係もあって、今まで『エヴァ』劇場版は欠かさずに初日の初回…
戦争に翻弄される一般市民のみなさんが必死で日々を生き抜く姿を描いた映画。 などと言われると俺なんかは「そんな悲惨なものを好き好んで観たくはない」という気持ちにならざるを得ないというか、特に原子爆弾投下前後のヒロシマ周辺のカオスを描いていると…
オーバールックホテルの不気味な廊下を三輪車で縦横無尽に漕ぎ進んでいた可愛いダニーくんも、見事にやさぐれた大人に変貌。 髭モジャのオビ・ワン・ケノービ然としたアル中男と化しているところは、父親であるジャック・トランスの血統を感じさせるショッキ…
サメ、ワニ、ライオン、グリズリー、アナコンダ、怪獣、自らを頂点捕食者と勘違いした人間たちを、いともあっさりと食いちぎってゴックンしてしまう食物連鎖のトップを突っ走るみなさん。 そんな捕食者たちに襲われた俺たち人間にできることは、おとなしく彼…
人気コミックの実写映画化に成功例など皆無だ。 まったくもって我が国は、なぜダメだとわかっていながらもマンガ実写化映画を作ってしまうのだろうか。 『進撃の巨人』実写化! 『キングダム』実写化! 『鋼の錬金術師』実写化! 断っておくがこれらはすべて…
アクセスして名前を入力するだけで、その人間を地獄に送るインターネットサイト【地獄通信】。 そんな、何のヒネリもないそのまんまな名称のサイトの管理人の名は、これまた「閻魔あい」というそのまんまな名前の少女であった。 いや別に無理にヒネった名前…
こういった宇宙モノSFに漂う孤独と絶望が大好物なので、制作サイドが“宇宙で『地獄の黙示録』がやりたかった”感満載のミーハー大作『アド・アストラ』は絶対に映画館の暗闇で体験したかった。 宇宙で人間が絶望する映画と言えば、過去に『2001年宇宙の旅』『…
働けども働けども困窮した生活から抜け出せない貧しいみなさん、社会との隔たりを感じ孤独感と絶望感にさいなまれているみなさん、自分よりも不幸な人たちには優しくしてあげたいけど幸福な奴らは全員死ねとか思っているみなさん。 そんな底辺な人々が「俺た…
おそらくタランティーノって世界でいちばん自由に映画を撮っている人なんだと思う。 子供時代とか、ビデオ店でバイトしてた時代とかに感銘を受けたくだらない映画に執着して、映画監督としてそんなのがごった煮状態になった作品(いわゆる自分の中にある原風…
ビートルズのいない世界。 そんな悲しくも味気ない世界がもしあったとしたら、音楽は、カルチャーは、人類はどんな未来を歩んでいたんだろう。 ビートルズが存在しないということは、当然のように音楽界にビートルズの影響が無いということになるので、ポッ…
昔はヤンキー物のジャンルって大好きだったけど、オッサンになったら別に興味がなくなっちゃったのは、もうヤンキーに感情移入できないどころか、自分がオヤジ狩りに合う危険性のほうが現実的になったからであろうか。 そんな俺が、このたび話題のヤンキーバ…
有名なマンガ原作だということをまったく知らずに鑑賞したが、監督が監督なのでまあ「お察し」というか、ただの青春映画ではないことは予想していた。 しかしながら、煽り文句に“超〈変態〉狂騒劇”などと書かれると俺としては不安しか感じない。 「変態」を…
「自分そっくりの容姿をしたもうひとりの邪悪な自分に襲われる」というシチュエーションはホラー映画によくある題材だが、この映画はなんと自分だけでなく、自分の家族そっくりの「わたしたち」に襲われるというブッ飛んだ展開がヤバイ。 邪悪な自分ひとりく…
ワンちゃんを殺された最強の殺し屋のクレイジーな大冒険を描いた『ジョン・ウィック』シリーズ3作目は、ストーリーがムチャクチャすぎて全く理解できないが、そんなものは関係ないほどに面白い出来事がたくさん起こるのでもうそれでいいんだと思う。 とにか…
音楽好きならば、所持しているCDをすべてブックオフに売っぱらってでも観なきゃいけない映画『ロケットマン』は、エルトン・ジョンのド壮絶な半生を描いた、愛と呪いの超絶ミュージカルである。 そう、とにかくこの作品は「呪い」に満ちている。 あの類まれ…
子どもたちに人気の可愛らしい「グッドガイ人形」にサイコキラー “チャッキー” の魂が乗り移って、前代未聞のお人形さんによる連続殺人が勃発。 というポップかつファンタジーな設定が話題を呼んだ名作ホラー『チャイルド・プレイ』は、我が国で言うとプリキ…
『ワイルド・スピード』シリーズを観るといつも「映画ってこんなに自由でいいんだなあ」って思う。 常識とか、リアリズムとか、整合性とか、共感とか、細かい理屈とか、そんなものは映画に必要ないんだなと。 ドデカいスクリーンの中に、ド派手でド迫力でド…