『パシフィック・リム』1作目を観たあとの自分の感想文を改めて読んでみたら、散々と大絶賛したあげくに、ラストを「生きててよかった!」というセリフで締めくくっていたのでびっくりしました。
なぜなら、あれから5年の歳月を経て公開された続編『パシフィック・リム:アップライジング』を鑑賞した直後に俺が興奮しながらつぶやいたツイートでも、意図せず「生きててよかった!」と言ってしまっていたから。
『パシフィック・リム:アップライジング』観ました!マジで!マジで!マジでまさかの前作超え!あり得ないくらい面白かった!1作目の1億倍ムチャクチャです。最高すぎて10回泣きました!今のところ今年ナンバーワンですよもう、生きてて良かった。 pic.twitter.com/0Yh0zP9TWr
— デヴォン山岡 (@devonyamaoka) 2018年4月3日
結局、この作品を観たことで得る結論はただひとつ。
生きててよかった!
これだけなのですね。あはは。
自分がこの世に存在していることを感謝できる映画。素晴らしいではありませんか。
パシリム2、まさかの1作目を超越した面白さ
1作目で、見事に怪獣軍団を地球から追い出すことに成功した環太平洋防衛軍のみなさん。
巨大ロボット「イェーガー」の大活躍のおかげで、地球に平和が訪れました。
今回は、そんな前作のイェーガーVS怪獣のIWGP選手権試合132分一本勝負が決着した、その10年後のお話です。
主役は、前作で名誉の殉職(というか自己犠牲)を遂げたスタッカー司令官の息子、ジョン・ボイエガさん。
例によって、偉大過ぎる親への劣等感で荒くれた日常を送っていますが、イエーガー操縦の技術には天賦の才能があるようです(お約束設定)
そんな荒ぶるボイエガさんを防衛軍に呼び込む役目が、前作でも大活躍した我らがヒロイン、菊地凛子さん演じる森マコ嬢なのです。
一応、義理の姉という設定なので驚き。
俺は個人的に菊地凛子さんが好きすぎて(性的な意味で)、もうマコ嬢の再登場に狂喜乱舞しましたよ。
マジで。
しかもこの森マコ嬢、姿は菊地凛子さんでありつつも、幼少期は芦田愛菜ちゃん、しかも日本語吹き替え版では声優を林原めぐみさんが担当しているという、俺得すぎる存在なんです。
最高かよ森マコ!
すみません。取り乱しました。
とにかく今回の続編、素晴らしいのはストーリーです。
一応もう怪獣の脅威は去った地球なんですが、なにやら怪しい雲行きになってきます。
それは何か?
もちろん見てのお楽しみなのですが、ハッキリ言って予想外のぶっ飛び展開で地球が危機に陥ります。
大暴れする怪獣をただやっつけるだけでなく、そこに人間の物語、いや言ってみれば人間と怪獣との駆け引きがしっかりと描かれているのです。
この先読み不可能なくらいムチャクチャなストーリーに、俺はもう素直に驚きました。
鑑賞中の俺の心境
なんでこんなに自由なんだ!
この映画にルールは無いのかッ!!
つまりバ―リトゥード(何でもあり)しているということに関しては、前作をはるかに超越しているわけです。
物語が神! 設定が神! 演出が神!
すべてが前作超え!
信じられない大傑作続編の誕生です!
勝因① 登場キャラがユルすぎる
何が素晴らしかったかというと、やはりキャラクター作りの安直さですね。
とにかくステレオタイプな登場人物ばかり出てきて、ニンゲン描写がすこぶる軽薄であるところ。
まるでローランド・エメリッヒの映画を観ているかのような安心感っていうんでしょうか。
主役はアウトロー、それをたしなめるイケメンの親友、心に傷のある少女(しかしニュータイプ)、イカレた科学者、新技術を推進して儲けようとする大企業の社長。
この作品の見どころはあくまでロボットVS怪獣のバトルなわけで、そこを気持ちよく見てもらうために複雑なキャラ設定など必要ないわけですよ。
人間関係や細かい心情の描写?
そんなものいらんのじゃ!
心情なんぞナンボのもんじゃ!
この潔さ。
なのに、俺は鑑賞中に何度も涙ぐんでますからね。
人間描写なんか無くても、人は感動できるんです。
勝因② 設定が雑すぎる
すべて「近未来だから」という理由だけで強引に成立させてしまっているガバガバ設定の数々。
これもまたパシリム2の面白さの要素です。
んなわけねーだろ! というシーンのオンパレードですが、もうムリヤリ納得させられてしまう(というか納得なんか必要ないほど気にならなくなる)
この作品の雑な設定は、もう芸術の域に達しているので、もし鑑賞中に「ありえねー」とか思って引っかかっても、それは映画がダメなんじゃなくて自分自身がダメなんです。
レジェンダリーピクチャーズの作品全般に言えることなんですが、これを楽しめないのは、お前に努力が足りないからなんだからな!
批判をしないで反省をしろ。
勝因③ デルトロ監督の降板
前作公開時に、映画ファンの間で話題になったのが「パシフィック・リムは女性パイロットの性的な描写が無いのでデルトロ監督は節度がある」みたいな評価です。
そこに対しては俺からひとことモノ申したい。
前作の菊地凛子メチャメチャエロかったやないか!
ほら見て
『パシフィック・リム』に性的描写が無い?
いやいやいや、性的描写だらけやわ。
映画ファンって、崇拝する監督の映画を観ると超盲目になるからホント困ります。
『シェイプ・オブ・ウォーター』を観て「モンスターと人間との究極の愛!」とか真顔で言っちゃうようなノンキな奴ばっかりで笑ってしまいますね。
あんなのどう見ても、モンスター同士のポルノ巨編だし、デルトロ監督の深い闇(というか性癖)がモロに出ている変態映画だった気がするんですが。
で、今回の続編は、なんと監督がデルトロさんではなく別の人!(デルトロさんはその半魚人のポルノ映画で忙しかった)
よって、パシリムファンからは心配の声もあったし、正直俺だってあまり期待はしていませんでした。
だってパシリムにとって重要なのは、センスとかテクニックとか監督の才能とかじゃなくて、「怪獣大好きな気持ち」と「ウルトラマン大好きな気持ち」と「ガンダム大好きな気持ち」の3つですからね。
この3つが無いとパシリムは作れない。
逆に言うと、この3つさえあれば俺でも作れる。
それがパシリムです(笑)
幸運にも、デルトロさんからバトンを受け取った続編の監督スティーブン・S・デナイトさんには、その3つが備わっていたのでした(たぶん)
ただ、デルトロさんと違うのは、新監督デナイトさんには「心の闇」が無かったんです!
デルトロさんってのは、どんなエンタメ作品を作ろうとも、少なからず彼の抱える「心の闇」が投影されてしまっておりました。
そこが、パシリムのような純粋無垢であるべきエンターテインメントには多少邪魔だったわけです。
今回の続編には、デルトロさんの闇が無い。
つまり、ひたすらポップで脳内お花畑なエンターテインメントに昇華されているのです。
デルトロさんという闇が排除されたパシリム。
これこそが本当の、純粋無垢かつ完全無欠のエンターテインメントなのですよ!
まとめ
とにかく面白い! 楽しい! 感動的!
俺は鑑賞しながら、笑って泣いて驚いてと魂を揺さぶられまくり。
『パシフィック・リム:アップライジング』には、映画における感動がすべて詰まっています!
これはステマでもなんでもなく、配給のまわし者でもなんでもなく、俺の個人的な感想なんでマジで信じてください!
劇場で観て、思いっきり泣いて興奮してください!
問答無用の100億点満点!!!