デヴォン式ローデッドクラッチ

映画ファン最後の良心「デヴォン山岡」が映画を楽しみまくって感想を書きます。

勝つのは男か? 女か? 今世紀最高にセクシーな社会派ドラマ『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』

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男尊女卑思考のカタマリであり、口を開けば女性蔑視発言ばかりの実写版「男性至上主義のブタ」であるこの俺も、思わず自分のカミサンに日頃の感謝を表明して、ダイヤモンドのひとつでもプレゼントしたくなるような映画を観ました。

 

その名も『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』。

現役女子テニスチャンピオンVS元男子テニス世界チャンピオン。

要するに男VS女

 

1973年にアメリカで実際に行われた、世紀のテニス対戦“性差を超える戦い”の全貌を描くエキサイティングかつデンジャラスな社会派ドラマです。

 

この試合は、全世界の人々の目をテレビに釘付けにし、女性解放運動・ウーマンリブの考え方をポップなカタチで世間に広めた大事件だったんですね。

映画を観るまでまったく知りませんでしたが、40年以上も前のことなのに、まるで過去のこととは思えないというか、現在の社会でも十分に共感&問題提起となり得るテーマなのが凄い。

当時よりはその社会的な差別は改善されているんだろうけど、形を変えつつもいまだに続いている“戦い”なんだなと考えさせられる内容となっておりました。

 

 

爽やかでセクシーな最高の2人の競演

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単なるスポーツ。単なるテニスの一試合。

 

しかし、これは世界中の人々の意識を変えるために必要な戦いであり、社会における性差別を改善させるきっかけにもなり得る戦いです。

つまり、エマ・ストーン演じる女子テニスチャンピオンのビリー・ジーン・キングさんは、まさに「女性代表」としてこの戦いに挑むわけですね。

すげえ責任重大であり、プレッシャーも半端ないでしょう。

しかしながら、この作品はそんな重圧に苦しみ悩む健気な女性アスリートを、重苦しくシリアスに描いた作品では断じてありません。

差別や社会問題、男女関係、政治などが絡んだ戦いに身を投じる男女の闘いながら、その表現方法は爽やかでユーモア満点。

ビリー・ジーン・キングさんは、アスリートとしての意識の高さはもちろん、キャラクター的にもとても魅力的な女性で、とにかく「世界を変えるには私がやるしかない」という使命感と自信に満ち溢れているんです。

どんなに悩み葛藤している状況でも、戦う姿勢を貫き通すその姿が本当にカッコ良くてセクシー。

 

さらに、敵対する元男子チャンピオンのボビー・リッグスも「女性の敵」ながらこれまた魅力的な男です。

「女をコートに入れるのはいい。でなきゃ球拾いがいない」なんてことを平気でテレビでのたまったりする嫌味なやつ。

しかも表舞台から遠ざかった身でありながらテニスの実力は確かで、プレッシャーにも強い根っからのギャンブラーだというところが侮れない。

でも実は、私生活では優しさとチャーミングさを持った人間らしい人物であるところが描かれているので、憎むに憎めない。

演じるのはキャラ七変化みたいな怪物俳優のスティーブ・カレルさんですから、もうタダモノではない感満載の凄い演技をしています。

とにかく、敵対している2人の人間らしさが深く描かれているので、それぞれのキャラクターとそのドラマだけでとんでもなく面白い。

 

特に最高なのは試合の記者会見のシーンです。

 

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これから名誉を懸けた一戦を行うというのに、2人とも楽しそうにお互いをディスりあって笑顔が絶えない。

お互いにアスリートとして一流であると認めて、男女関係なくリスペクトしていることが伺える素晴らしいシーンだと思いました。

 

 

 

社会を変える世紀の一戦、その臨場感に注目!

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女性代表のビリー・ジーン・キングさんVS男性代表のボビー・リッグスさん。

表面上は男女の争いですが、その本質は社会の在り方を問うバトルであり、これに世界9000万人が注目したというところに大きな意味があります。

 

そんな世紀の一戦であるテニスシーンこそがこの映画最大のクライマックスで、もっともアツく緊張感のあるシークエンスです。

実際のテレビ中継で多用するアングルで描かれているので、試合をテレビで観戦しているような臨場感があって超ドラマチック。

プレイヤーとボールの動きをすべて見せるので、テニス素人が見ても戦いの流れが追いやすい丁寧な演出になっています。

そして最初はテニス未経験だったというエマ・ストーンが魅せる圧巻のプレイも見どころです。

チカラ強いサーブ、美しいフォームと俊敏な動き。

チャンピオンとしての説得力のある動きを見せてくれるので、息を飲むようなスリリングな展開の試合が体験できます。

 

 

全人類必見の社会派ドラマ

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この作品は「男はこうだけど女はこう、だから男のほうが有能!」といった言いまわしをよく使い、カミサンや周囲の女性たちの怒りを買うことが多い俺みたいな人間が、反省して心を改めるにはもってこいの作品です。

 

ビリー・ジーン・キングさんは「優勝賞金の額が男女で差がありすぎる」ことで全米テニス協会にクレームを入れるんですが、「観客を呼べるのは男子の試合だから」という理由にブチ切れるところからこの話は始まります。

じゃあ、女性だけでも男子同様にエキサイティングな試合をやれることを見せてやろうじゃないの!

と言って立ち上がった女子テニス軍団のみなさん。

まさに彼女たちの行動は、俺みたいな男性優位思考の人間の心無い言動に苦しめられている女性たち(というかカミサン)の願いそのものなわけですね。

 

さらに、この作品には男女差別だけでなく、LGBTに関する問題も提起されており、40年以上前の出来事でありながら、十分現在に繋がるテーマが描かれています。

 

果たしてこの試合を機に、この40年間ちゃんと人類社会は進化してきたのだろうか?

そんなことを思わずにはいられないほど、深く考えさせられる内容でした。

 

 

まとめ

実際の本人そっくりに役作りしたエマ・ストーン、スティーブ・カレルの2人だけでなく、永遠の大統領ビル・プルマンやいつも同じような役のアラン・カミング、「すげえセクシーで美人な熟女だなあと思ったらエリザベス・シューだった」みたいな豪華な出演者たちが魅せる歴史的な一戦。

 

1973年という時代を再現しつつも、まったく古臭くない美術やファッションなんかも見どころです。

 

すべての頑張る女性たちに勇気をくれる、すべての愚かな男性たちの考えを改めさせてくれる作品として、全人類必見の映画。

 

というわけで点数はこうなります。

 

100点満点!