『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』はシリーズ史上最高の感動作だ!
『ワイルド・スピード』シリーズ9作目となる最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の何が凄いって、やはりストーリーが文句なしに面白かったところが挙げられる。
今までのワイスピシリーズは、どちらかというとアクション重視の作品で、なんつーかストーリー自体はあまりよくわからない(というか覚えていない)モノが多かった。
業界最先端のアクションこそがワイスピの魅力で、「見せ場になる派手なアクションシーンのためにストーリーが存在する」みたいなノリで、ファンもそれが観たくて映画館に足を運んでいたわけだ。
しかし今回は、最強すぎるアクションシーンはもちろんのこと、そこにストーリーの重厚さが加わってめちゃくちゃ感動的な出来になっているのだ。
ワイスピなのにストーリーがめちゃイイ!
シリーズ9作目、しかも20年に渡って続いているワイスピが、ここにきてファンを感動させてくれるのが本当に素晴らしいし、長年見続けて来た甲斐もあったというものだ。
ワイスピ名物! 家族愛爆発ストーリー
主役のドム(ヴィンディーゼル)の過去の、子ども時代のエピソードが描かれるしょっぱなの時点で、なにやらいつもと様子が違う。
カーレースの事故で愛する父親が亡くなってしまい、哀しみに暮れるドムとその弟ジェイコブ。
つまり今作は、その弟ジェイコブが絡んでくる話で、しかも大人になった姿が元WWEのプロレスラー、いまもっともホットなアクション俳優のジョン・シナだからマジで最高。
ジョン・シナ、ほんっといい俳優だと思う。
『バンブルビー』でも『スーサイド・スクワッド』でもめちゃくちゃ魅力的な役で、今回は悪役なんだけど、身体を張ったアクションはもちろん、心の底に哀しみを背負ってる感じもあってかなり良かった。
いままでチームとしての絆・家族愛を描いたワイスピが、ついにドムの本当に血のつながった家族についての話に触れて来たのは本当に感動的だ。
さらに弟ジェイコブの登場によって、もうひとりの兄妹、ミア(ジョーダナ・ブリュースター)も久々に合流し、ちゃんと夫ブライアンの存在もアピールしてくれるのがまた嬉しい。
ワイスピシリーズが素晴らしいのは、故ポール・ウォーカーが演じていたもう一人の主役ブライアンが、この世界線で元気に生きて幸せに暮らしていることを知れるところだ。
そのほか、今回の見どころとして、ジェイコブとの邂逅によりドムの家族像が深堀りされるだけでなく、あの死んだはずのハン(サン・カン)が「実は生きていた!」的復活を遂げることにも触れておきたい。
ハンはワイスピ3作目『TOKYO DRIFT』にて事故死し、それが6作目『EURO MISSION』にてデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)の暗殺だったと判明するが、今回そこにさらに新たな事実が明かされるという強引すぎる流れで復活するのがウケる。
こういう事がすんなり出来て、しかも受け入れられてしまうのもワイスピの懐の深さであろう。
濃すぎるキャラクターたちの豪華共演
ワイスピシリーズに毎度のように登場する濃厚魚介豚骨ドロドロスープの新キャラクターたち。
ひとりひとりが胃もたれしそうなほど個性的なキャラなのに、なぜか不思議な一体感と協調性でもって一つの作品として成り立っているのが本当に凄いと思う。
頼れるリーダーのドム、イケメンすぎるレティ、バカなのに不死身なローマン、頭脳明晰なテズとラムジーといったいつもの面々に加えて、ハンの復帰、最強のライバルでもある弟ジェイコブの登場。
さらに、過去シリーズの脇役たちもチラリズムで顔を出していてファンにはお得感がある。
裏で暗躍する悪のボス、サイファー(シャーリーズ・セロン)は、俺が個人的に大好きすぎるし。
もはや登場人物たちの個性がヤバすぎて大渋滞を起こしていてもおかしくはないが、それぞれに相応しい役割が与えられているのでしっかりとまとまっているのだ。
また今作は、ホブス(ロック様)とデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)が不在である。
前作で旬レギュラーだったこのパワフルな2人がいないことで、登場キャラ的にやや迫力に欠けるかなとか不安があったが、蓋を開けたらもう十分華やかで、ここに2人が加わったら『アベンジャーズ』大集合に匹敵するすげースペシャル感が出てしまうこと間違いなしだ。
なによりも、ハンの復活で、チームの面々とハン殺害の罪人であるデッカード・ショウとの関係性がどうなるのかが非常に気になる。次回作へのワクワクが止まらん。
まとめ
さて、次回作はシリーズ10作目であり、ワイスピは残り2本制作されるというアナウンスがされているので、メインはサイファーとの対決となるのだろうか。
スピンオフ作品で見事なイチャイチャを見せてくれたホブス&ショウの復帰も楽しみだし、次はどんなぶっ飛んだミッションと命知らずのアクションを見せてくれるのか?
アクション映画の最先端と言われる『ワイルド・スピード』の完結を見届けるまで、俺は、死ねない。