ローデッド式デヴォンクラッチ

映画ファン最後の良心デヴォン山岡が映画を楽しみまくって感想を書きます。

前作の500倍クソ楽しい『パシフィック・リム:アップライジング』で、生きている喜びを実感したよ!

 

パシフィック・リム』1作目を観たあとの自分の感想文を改めて読んでみたら、散々と大絶賛したあげくに、ラストを「生きててよかった!」というセリフで締めくくっていたのでびっくりした。

なぜなら、あれから5年の歳月を経て公開された続編パシフィック・リム:アップライジングを鑑賞した直後も、思わず「生きててよかった!」とつぶやいてしまっていたから。

つまりこの作品、自分がこの世に存在していることを感謝できる映画なのだ。



パシリム2、まさかの1作目を超越した面白さ

1作目で、見事に怪獣軍団を地球から追い出すことに成功した環太平洋防衛軍のみなさん。

巨大ロボット「イェーガー」の大活躍のおかげで、地球に平和が訪れた。一時的に。

 

今回は、そんな前作のイェーガーVS怪獣のIWGP選手権試合132分一本勝負が決着した、その10年後のお話である。

主役は、前作で名誉の殉職(というか自己犠牲)を遂げたスタッカー司令官の息子、ジョン・ボイエガさん。

例によって、偉大過ぎる親への劣等感で荒くれた日常を送っているが、どうやらこの男、イエーガー操縦の技術には天賦の才能があるようだ(お約束設定)

 

そんな荒ぶるボイエガさんを防衛軍に呼び込む役目が、前作でも大活躍した我らがヒロイン、菊地凛子さん演じる森マコ嬢で、一応、義理の姉という設定なので驚き。

俺は個人的に菊地凛子さんが好きすぎて(性的な意味で)、もうマコ嬢の再登場に狂喜乱舞したのであった。

しかもこの森マコ嬢、姿は菊地凛子さんでありつつも、幼少期は芦田愛菜ちゃん、しかも日本語吹き替え版では声優を林原めぐみさんが担当しているという俺得すぎる存在。

 

最高すぎるッッ!(股間を膨張させながら)

 

とにかく今回の続編、素晴らしいのはストーリーである。

地球はもう怪獣の脅威が去った状態になっている冒頭、しかし、なにやら怪しい雲行きになってきて、それがもうハッキリ言って予想外のぶっ飛び展開で地球が危機に陥るのだ。

 

大暴れする怪獣をただやっつけるだけでなく、そこに人間の物語、いや言ってみれば人間と怪獣との駆け引きがしっかりと描かれているところが面白い。

この先読み不可能(ムチャクチャすぎて)なストーリーに、俺はもう素直に驚いた。

 

鑑賞中の俺の心境

 

なんでこんなに自由なんだ!

この映画にルールは無いのかッ!!

 

つまりバ―リトゥード(何でもあり)しているということに関しては、前作をはるかに超越しているわけ。

 

物語が神! 設定が神! 演出が神!

 

すべてが前作超え!

 

信じられない大傑作続編の誕生だ!

 

 

勝因① 登場キャラがユルすぎる

何が素晴らしかったかというと、やはりキャラクター作りの安直さである。

 

とにかくステレオタイプな登場人物ばかり出てきて、ニンゲン描写がすこぶる軽薄であるところ。

 

まるでローランド・エメリッヒの映画を観ているかのような安心感と言えばわかりやすいだろう。

 

主役はアウトロー、それをたしなめるイケメンの親友、心に傷のある少女(しかしニュータイプ)、イカレた科学者、新技術を推進して儲けようとする大企業の社長。

 

この作品の見どころはあくまでロボットVS怪獣のバトルなわけで、そこを気持ちよく見てもらうために複雑なキャラ設定など必要ない。という潔さが素晴らしい。

 

人間関係や細かい心情の描写?

 

そんなものいらんのじゃ!

 

心情なんぞナンボのもんじゃ!

 

 

なのに、俺は鑑賞中に何度も涙ぐんでるからね。

人間描写なんか無くても、人は感動できるんだなあ。

 

 

勝因② 設定が雑すぎる



すべて「近未来だから」という理由だけで強引に成立させてしまっているガバガバ設定の数々。

これもまたパシリム2の面白さの要素だ。

 

んなわけねーだろ! というシーンのオンパレードだが、もうムリヤリ納得させられてしまう(というか納得なんか必要ないほど気にならなくなる

 

この作品の雑な設定は、もう芸術の域に達しているので、もし鑑賞中に「ありえねー」とか思って引っかかっても、それは映画がダメなんじゃなくて自分自身がダメなのである。

 

レジェンダリーピクチャーズの作品全般に言えることだが、これを楽しめないのは、お前に努力が足りないからなんだからな!

 

批判をしないで反省をしろ。



 勝因③ デルトロ監督の降板

前作公開時に、映画ファンの間でパシフィック・リムは女性パイロットの性的な描写が無いのでデルトロ監督は節度がある」みたいな評価が話題になったことをご存知だろうか。

 

そこに対しては俺からひとことモノ申したい。

 

前作の菊地凛子メチャメチャエロかったやないか!

 

 

パシフィック・リム』に性的描写が無い?

いやいやいや、性的描写だらけやわ。

 

映画ファンって、崇拝する監督の映画を観ると超盲目になるからホント困るわ。

 

シェイプ・オブ・ウォーターを観て「モンスターと人間との究極の愛!」とか真顔で言っちゃうようなノンキな奴ばっかりで笑ってしまう。

 

ブログの記事でも書いたが、あんなのどう見ても、モンスター同士のポルノ巨編だし、デルトロ監督の深い闇(というか性癖)がモロに出ている変態映画だっただろうが。

 

で、今回の続編は、なんと監督がデルトロさんではなく別の人!(デルトロさんはその半魚人のポルノ映画で忙しかった)

 

よって、パシリムファンからは心配の声もあったし、正直俺だってあまり期待はしていなかったのが正直なところなのだが。

 

だってパシリムにとって重要なのは、センスとかテクニックとか監督の才能とかじゃなくて、「怪獣大好きな気持ち」ウルトラマン大好きな気持ち」ガンダム大好きな気持ち」の3つだったから。

 

この3つが無いとパシリムは作れない。

 

逆に言うと、この3つさえあればでも作れる。

 

それがパシリムなのだ(笑)

 

幸運にも、デルトロさんからバトンを受け取った続編の監督スティーブン・S・デナイトさんには、その3つが備わっていたのでした(たぶん)

 

ただ、デルトロさんと違うのは、新監督デナイトさんには「心の闇」が無かったところである。

 

デルトロさんってのは、どんなエンタメ作品を作ろうとも、少なからず彼の抱える「心の闇」が投影されてしまっていた。

そこが、パシリムのような純粋無垢であるべきエンターテインメントには多少邪魔だったと俺は思う。

 

今回の続編には、デルトロさんの闇が無い。

 

つまり、ひたすらポップで脳内お花畑なエンターテインメントに昇華されているのだ。

 

デルトロさんという闇が排除されたパシリム。

その結果、この続編が本当の意味での、純粋無垢かつ完全無欠のエンターテインメントとなり得たのであった。

 

 

まとめ

とにかく面白い! 楽しい! 感動的!

俺は鑑賞しながら、笑って泣いて驚いてと魂を揺さぶられまくり。

パシフィック・リム:アップライジング』には、映画における感動がすべて詰まっている!

 

 

黒人映画『ブラックパンサー』、いやお前、実はこの映画は黒人をディスってないか?

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ブラックパンサー』、略して“ブラパン”

 

ブラパンはいいぞー。

 

などと、思わず著しく語彙力の無いひとことを書いてしまうのには理由があります。

 

この映画が、ご存知MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品であり、俺の人生における最高傑作『アベンジャーズ』シリーズの最新作であることが大きな理由。

 

映画ファンであればMCU作品を無視することなどできないわけで、このシリーズを見続けることこそが「映画ファンであること」の証明になると、俺なんかは本気で思っているのです。

 

で、このブラパンは、2016年に公開された『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で初登場した、国王でありながらヒーローもしている忙しい人ブラックパンサーさんのスピンオフ作品。

 

スピンオフと言っても、今までのアベンジャーズシリーズにおけるヒーロー作品同様、単体のヒーロー映画として成立している超大作ですし、全米では度肝を抜くほど大ヒットしております。

 

ブラパン、すげえ。

 

 

独特すぎるブラパンの世界観

 

ブラパンはその世界観が他のアベンジャーズたちの作品とはかなり違っていて、ひとことで言うと描かれているのは自国の内輪モメです。

 

だから物語の舞台は、ほぼブラパンさんの祖国であるワカンダ王国。

 

しかもこの国は、一見アフリカの発展途上の小国に見せかけていますが、実は最先端のテクノロジーを隠し持っていて影でメチャクチャ発展している未来都市なんです。


つまり、なにがなんだかよくわからない。

 


最新鋭の技術と高度な文明で自分たちだけ発展し続けていると自負しているくせに、国王を決めるのには腕っぷしの強さを競うというボス猿みたいなことをしています。

 

 

文明社会なのか猿社会なのかどっちなんだよ?

 

 

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また、出てくるキャラクターもかなり個性的。

 

ブラックパンサーを名乗るこのヒーローは当然黒人です。

 

それどころか、ワカンダ共和国はアフリカ大陸にある国なので、当然のように出てくるキャラはみんなアフリカ人(黒人)なのです。

 

で、俺なんかはAKBグループやモー娘。の区別はつくけど、黒人の区別はまったくつかない。

 

たとえば、サミュエル・L・ジャクソンモーガン・フリーマンなんてまったく区別がつきませんよね。

大統領役やってたらかろうじてモーガンかな?と認識できたり、殺しの前に聖書の一説を読み上げたらかろうじてサミュエルかな?と認識できたりその程度です(なわけねえ)

 

そんな白痴な俺でも『ブラックパンサー』における黒人は見分けがつきやすいように、キャラクターのヴィジュルがわかりやすい。

 


ブラックパンサー(ティ・チャラ)→普通の髪型

敵(キルモンガー)→カッコイイ髪型

ブラパンの恋人(ナキア)→変な髪型

ワカンダの女将軍(オコエ)→丸坊主

協力するCIA(エヴェレット)→ワトソンさん

 


このように、基本的に髪型で区別がつくのありがたいですね。

 

特に、ワカンダの軍隊の最強の女戦士オコエさんは丸坊主っすよ!

 

丸坊主なんて、個人的に謝罪のとき罰ゲームなんかでするものってイメージがあるので、そんな髪型を好き好んでやっていることに衝撃を受けたし、きっと戦闘をするうえで合理的なスタイルなのかもしれないとか思うと感心してしまいます。

 

確かに、敵に髪を引っ張られないからいいよね。


そんな感じで、結局その野蛮な風習(というか、この国はもうぜんぜん文明が発展しているように見えないのせいで、大変な危機を迎えるワカンダ王国。

 

猿のくせにテクノロジーだけは高度なので、ワカンダ王国が乱れれば、当然世界が猿に支配されてしまう危険性もあるわけで、もはや『ブラックパンサー』でありながら『猿の惑星』でもあるわけですな。

 

ムチャクチャやないか。

 

 

史上もっとも大成功した黒人ヒーロー映画

 

というわけで、この作品が絶賛されている理由としては、ヒーロー映画でありながら黒人映画であるところでしょうね。

 

白人が活躍するヒーローものではなく、黒人たちが知恵とパワーで世界を救う大活躍をするという物語。

 

少なくとも海外ではそういった理由で評価が高いのかもしれません。

 

ハリウッドでは「映画業界は白人社会だ」みたいな問題もあって、最近特に黒人やアジア人の活躍する映画が多いけど、これってあからさますぎてどうなんだろう?って思いますが、そのへん当事者の黒人のみなさんは深く考えていないのでしょうかね。

 

まあいいや。、とにかく俺はもともと白人も黒人もひとくくりに「外国人」としか見ていないので、そんなものはどーでもいいっつうか評価の対象になんかなりません。

 

俺的に、この作品の面白さをアピールするとしたら、それはズバリ“親子で鑑賞したら超燃える”という部分ですね。

 

先ほども書いたように、ブラパンの世界観はあまりにもぶっ飛んでいるので、子どもにはちょうど良いんです。

 

王様を決めるのにタイマン勝負するなんて、単純明快で最高じゃん。

 

俺は息子と観たんですが、最初の王位争奪マッチを観て「あのフィニッシュの三角締めはしっかりキマッてたねえ」なんて感心しきりでした(笑)

 

 

 

アベンジャーズ』の最新作へのプロローグ

 

さて、4月にはシリーズ最新作であり『アベンジャーズ』の正式な3作目アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーが公開されます。

 

ブラパンはまさにその直前の作品ということもあり、マーベル作品の最高峰になるであろうこのビッグイベントを最大限に楽しむためには 鑑賞必至の作品なのです。

 

ちなみにインフィニティ・ウォーには、ブラックパンサーさんはもちろんワカンダ王国のセクシー丸坊主戦士オコエさんも登場する様子です。

 

不死身の帝王サノス相手にヤリで戦う気か?

 

しかしそう考えると、ブラパンって黒人上げ映画に見せかけて、実は「黒人は最新テクノロジーがあるのにヤリで戦ったり、王座を殺し合いで奪い合ったりするような野蛮な猿」と遠回しにディスっている映画なのかもしれませんね。

 


100点満点!(そんなに褒めてないけど)

 

 

 

 

『シェイプ・オブ・ウォーター』って、美しいどころか超お下品だよね?

アカデミー賞最優秀作品賞に輝いてしまったシェイプ・オブ・ウォーター

とんでもない快挙なのは間違いないけど、こんなオゲレツな作品が名誉ある賞(というか日本人的にはもっとも権威ある映画賞)を獲ってしまったことに驚きを隠せなかった。

 

さらに日本における作品の宣伝文句には「ロマンチック」「大人のラブファンタジー」なんてワードが飛び交い、挙句の果てには「モンスターとの純愛」などという、まるで『美女と野獣』みたいなノリ(完全に悪ノリ、というか大嘘)で紹介している媒体もあるではないか。

まあ、作品の観方も感想も人それぞれなので、誰がどんな捉え方をしようと勝手だが、俺が観た率直な感想は「オゲレツ」のひとことだった。

 

普段は映画なんか観ないような人が「アカデミー賞受賞したんだって~」なんて言いながら、1年に一回行くか行かないかの映画館に友人を誘って足を運んで、どデカいバケツみたいなのに入ったポップコーンをシェアしながらぼんやり観るにはあまりにも危険。

その人、今後10年は映画館に行かなくなるのではないか。


そもそもこれを「美しい」とか言う奴は欲求不満

監督であるギレルモ・デルトロさんの過去の作品を観たことがある人だったらわかると思いますが、この人はいつも気持ち悪い映画ばっかり撮っているよね。

よってスクリーンには、どう考えても「美しいモノ」など映っておりません。

 

欲求不満のコミュ障女

ハゲホモじいちゃん

黒人デブ女

サディストの豚男

半魚人

薄汚い研究所

ションベンの飛び散るトイレ

廃れた映画館の上にあるボロアパート

クソまずいパイを平気で客に出すカフェ

 

 

劇中にロクなモノが登場していないじゃん!

 

でもね、このロクでもない下劣な世界には「変態的なエロ」が充満している。

そこは認める。

 

欲求不満のコミュ障女を好む奴→変態

ハゲのホモジジイを好む奴→変態

黒人のデブ女を好む奴→変態

サディストの豚男を好む奴→変態

半魚人を好む奴→変態

薄汚い研究所を好む奴→変態

ションベンの飛び散るトイレを好む奴→変態

廃れた映画館の上にあるボロアパートを好む奴→変態

クソまずいパイを平気で客に出すカフェを好む奴→変態

 

ほら。

全部ことごとく変態が好む世界観じゃありませんか。

 

こんな見事な世界観があっていいのでしょうか。

 

つまりこの作品、誰が最初に「美しい」とか言い出したのかわからないけど、この映画を「美しい」と言ってしまう感覚って、自分が変態的なモノに心奪われたことを他人に知られたくないし、自分自身も認めたくないから、とりあえず「美しい」とか言っておくみたいな感覚なんじゃないかなって思う。

 

「美しい」という言葉の背後には、【いや、違うよ。私はね、このヴィジュアルの美的感覚っていうの? 水の中の幻想的なイメージとかアパートにある小物のセンスとかカメラワーク? あと姿カタチではなく心で繋がる種族を超えた一途な恋愛とか、そんなのを「美しい」と言っているのであって、決して変態的な設定のことではないよ】といったわけのわかんない言い訳が隠れているのだ。

 

しかし実際のところは、この作品の「変態」な部分に惹かれているのは間違いなく、つまりこの作品に本気で感情移入して感動した人間なんてのは、単なる慢性的な性的欲求不満

 

誰とでもいいからセックスがしたい。

 

「イケメンであれば半魚人でもいい」「いいケツしていればブスでもいい」、同性愛者なら「ハゲたジジイでもいい」、マゾっ気のある女なら「サディストで指が腐っていてもいい」と、いろいろと妥協もするけどとにかく誰かとセックスがしたい!という気分に強く共感したのではないでしょうか。

 


そもそもこれはジャンルが良くわからない

作品の舞台は米ソ冷戦時代の1962年だが、ファンタジックなのはこの時代設定のみ。

 

政府の研究施設に実験台として連れてこられた半魚人さんと清掃員の孤独な(欲求不満)女性イライザさん(サリー・ホーキンス)が、心惹かれ合う物語が展開するわけだが、研究所のセキュリティがガバガバすぎて素晴らしい(そこがファンタジー)。

 

一介の清掃員が気軽にお弁当を持って半魚人の水槽に近づけてしまうのヤバくない?

 

完全にそのへんの動物園よりも気軽なので、そのアットホーム感もまさにファンタジーだなと心から感動した。

 

で、そんな微笑ましい環境で展開するわりに、セックスシーンに「ボカシ」が入ったりするから困る。

もう俺の個人的な認識としては、一般作品でありながら「ボカシ」が入った時点でそれは成人映画じゃないの?

 

「ファンタジー」とか「ラブロマンス」とか「ホラー」とかを超越して、もはやそれは「成人映画」。
つまり「ポルノ」である

 

そう考えると、先ほどの「この映画を絶賛するやつ欲求不満説」が成立してしまう。

 

だってポルノ映画なんだもん。

観る奴は欲求不満しかいないわけで、完全に利害関係が一致するではあーりませんか。

 

よかった。腑に落ちた。

 

まとめ

 

シェイプ・オブ・ウォーター』はポルノ映画なので、デートとかで観に行ったらぜったいにダメ!

 

誰も知らない『アウトレイジ』シリーズの世界

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「てめえナメてんのかコノヤロー!」

 

「てめぇらガタガタうるせぇんだよバカ野郎!」

 

こんな知的なやり取りが2時間ずっとつづく、まさにエレガントなひとときを満喫できる上流階級の映画体験。

 

それが北野武監督アウトレイジシリーズです。

 

このシリーズが傑作であることは言うまでもないですけど、やっぱ「傑作!」と言わずにはいられないほど超傑作なので言わせてください。

 


超傑作です!

 

 

 

ヤクザ映画ではなく、ヤクザファンタジー

 

 昔、某シネコンで働いているとき、なにかの罰ゲームか知らないですが『首領への道』というヤクザ映画を上映したことがありました。


で、もう来る客がみんなそっち関係の人ばっかりで生きた心地がしなかったのを思い出します。

 

劇場内で平気でタバコ吸っちゃったりする。


もちろん俺たち劇場側は、毅然とした態度でそんなの見て見ぬフリするわけですが。

 

 

何が言いたいのかというと、この『首領への道』も『アウトレイジ』そうだけど、ヤクザ映画の魅力って、アクションやバイオレンス演出だけじゃなくて、「ヤクザ」という特殊な世界の様々なシキタリや儀式などの世界観とか様式美とかにあるわけです。

 

で、その中でも 『アウトレイジ』シリーズは本当に世界観がファンタジック。

 

とにかく一般人がひとりも出てこない。

 

ヤクザだけが住む「ヤクザ世界」で、ヤクザ同士がモメまくって、みんな揃って「てめえナメてんのかコノヤロー!」ってスゴんでいるだけの映画。

 

ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』と一緒です。

 

キャラクターがヤクザなだけ。

 

そんな架空のキャラのみなさんが、始終本気で殺し合いをしています。

 

もう卑怯もひったくれもない感じで、闇討ちとか暗殺とか騙し合いの連続。

 

正々堂々なんて意識が皆無な、まさに純粋な「悪」な人たちばっかりで感情移入が一切できません。

 

つまり俺たちよりもずっと純粋な人たちなんです。

「普段やさしいけどキレると怖い」なんて人はひとりもいない。

ずっと怖いし、ぶっとばし合ってるという。

 

もちろんそんな奴は、ハタ迷惑極まりないんだけど、見ていてとってもスカっとするのも事実なんですよね。

 

 

 

 シリーズを重ねるごとにメルヘン度がエスカレート

 

アウトレイジ』は3部作ですが、シリーズを重ねるごとにファンタジーっぷりがアップしています。

 

まず、1作目のラストで死んだはずのビートたけし演じる「大友」が、2作目アウトレイジ ビヨンドで生き返っています。

 

ほら。もういきなりメルヘンじゃん。

 

で、3作目のアウトレイジ 最終章では、韓国の大物フィクサー役を、ビートたけしの友人のただの一般人が演じてたりしてこれまたファンタジー

 

シリーズ通して、凄惨な殺し合いをしつつも、ところどころでユニークなズッコケが入ったり、殺伐とした中にもホノボノとしたワンシーンがあったりと、とにかく演出がどこか異世界の出来事のような雰囲気を醸し出しているところも注目。

 

死人は前作の倍、緊張感は前作の倍、出演者の顔の面白さも前作の倍、飛び交う怒号は前作の1億倍と、何もかもがバイバイゲームでエスカレートしていく極上のエンタテインメント。

 

ヤクザ映画が好きじゃないという人でも、ぜったいに楽しめるエンターテインメントになっていますので、みなさんもぜひ、ヤクザ同士の罵り合いから生み出されるグルーヴに身をゆだねてみてくださいね。

 

ではでは。

 

【自己紹介】ブログ管理人の2017年度映画ベストテン

はじめまして。

映画ライターのデヴォン山岡です。

 

このブログでは、個人的に楽しんだ映画の感想文をどんどん書いていこうと思っております。

 

とにかくジャンル問わず、年代を問わず、意味不明なタイミングで、俺がそのとき紹介したい作品の感想文を、なんの必然性も無く書いていくというコンセプトとなっておりますので、お付き合いいただける方はぜひとも読者になってください!

 


さて、最初の記事と言えばやはりプロフィールの紹介ですよね。

 

しかしながら、ここで生年月日やら、趣味やら、好きな食べ物やら、性癖やら、黒歴史やらを紹介したところで、そんなもので人間の本質など到底わからない。

その人間の人間性を手っ取り早く知るのであれば、やはり「好きな映画」を確認するのがいちばんではないでしょうか。

 

ってことで、ここではわたくしデヴォン山岡の2017年度版の映画ベストテンを発表させていただき、それを自己紹介とさせていただきたく思います。


以下のランキングを見れば「あー、コイツってこんな奴なんだ」ってのが一目瞭然!

「読者になる」ボタンも気兼ねなく押せるってもんですよ、はい。

 


2017年映画ベストテン

1位『エイリアン:コヴェナント

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これを観るために生きていると言ってもいいぐらいに、リドリー・スコットの描くエイリアンの世界が好きです。


みんながスターウォーズに熱狂するのと同じように、俺はエイリアンに熱狂しているんです。

 

これを面白くないという人の大半はどうせ『プロメテウス』も観ていない。
『プロメテウス』を見ていない人の大半はどうせ『エイリアン』に興味がない。

 

結論として『エイリアン:コヴェナント』を楽しめなかった人たちは、一生エイリアン映画を観るべきではない。

リドリー・スコット監督は作品を通してこうメッセージを送っています。

 

俺のエイリアンを観たいか? と。

 

観たい。

 

と思ったファンがあまりにも少なかったので、続編のプロジェクトが停滞しているそうです(泣)

つまり、俺以外は誰もリドリー・スコットの世界についていけていないのか。。。

 

 

2位『散歩する侵略者

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侵略モノのSF映画ですが、根底にあるのはコミュニケーションの物語でした。

 

黒沢清監督作品の定番である、他者との対話

 

素性も考え方も生きる目的も価値観も、何もかもが違う相手とどうコミュニケーションをとるか?

 

いつもならば、わかりあえない同士は所詮わかりあえませんといった虚しい話で終わるが、今回は何か違います。

 

お互いにわかり合おうとする意思が見えるんですよね。

その先に、残酷な結果が待っているとしても「わかり合おうとする」ところに感動を覚えずにはいられない。

 

黒沢清、なかなか優しくなったなと感じました。

 

 

3位『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』

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この作品、トム・クルーズが主演でなければ観もしなかったと思います。

 

それほどまでに、すべてトムの魅力で持っているような作品。

 

トムがミイラを復活させて、トムが自分で解決するという究極の自作自演乙展開

 

ここで「トムだからしょーがねーかwww」と思えるかどうかで評価が真っ二つに分かれる。

 

俺なんかはもうトムであればなんでもいいので、どんだけムチャクチャな展開だろうがそんなものは関係ない。

 

トムが世界を巻き添えにして暴れている。

そこに恥も外聞も無く感動してしまうんです。


 

4位『ブレードランナー2049』

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35年ぶりの続編という、まったく意味がわからない企画です。

 

ブレードランナー』が好きな人なんかそのほとんどが老人だし、俺だって特に思い入れがある作品でもありませんでした。

 

にもかかわらず、誰もが納得する、これしかあり得ないと思える出来の続編としてまとめたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の手腕というか、そのバランス感覚を素直に素晴らしいと感じました。

 

世界観をしっかりと引き継ぎつつも、新しい物語を創り上げ、さらにオリジナル作品との関係性を取り込んで展開させるなんて、マジでこの監督にしかできない芸当ではないでしょうか。

さらに、女AIがエロすぎるところも最高でした。

 


 

5位『ネオン・デーモン

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エレガントでありながら圧倒的ドスケベ感を醸し出すクリフ・マルチネスのエレクトロミュージックに乗せて、キラキラした衣装に身を包んだうら若き少女が暗黒面に堕ちていく過程は強烈なインパクト。

 

あまりにも刺激が強すぎて、美しいのか気持ち悪いのか判断がつかなくなるという意味では、「美」と「醜悪」は紙一重であるというメッセージにも思えました。

 

 

6位『ラ・ラ・ランド

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「映画」を超えて、「ミュージカル」を超える。

 

ジャンルを飛び越えた独自のエンターテインメントを創り上げた作品で、鑑賞後には感動どころか「絶望」してしまうほどの完成度でした。

 

モノづくりをしている人で、この作品を観てヘラヘラ「面白かった」とか言っているノンキな奴はもうモノづくりなんかやめたほうがいいですね。

 

こんな凄いモノを見せられて、嫉妬絶望を感じないならクリエイティブなんかやめちまえと。

 

 

7位『トリプルX:再起動』 

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始終なにをやっているのかわからなかったんですが、面白いモノ、ハチャメチャなモノを見せたいというサービス精神だけは泣けるほど伝わる作品でした(笑)

 

俺が水野晴郎だったら、間違いなく上映週後に「いや~、映画ってほんっとにいいものですね」と口走っていたはず。

 

常に進化しつづけるアクション映画というジャンルを語る上で、これを観ていないと乗り遅れる感が凄かった。

 

 

 8位『マリアンヌ』 

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この作品の抜け目のない画作りというか、迫力のある構図というか、とにかくすべてのシーンがあまりにもド派手

 

作品の内容自体はスパイ同士のラブストーリーと地味なのに、なぜこれほどまでにヴィジュアルで魅せられるのか?

 

映像を極めたロバート・ゼメキス監督だからこそ到達した、細部までこだわりぬいて作られたヴィジュアルインパクトに度肝を抜かれました。

 

 

9位『アトミック・ブロンド

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すべてが閲覧注意とも言える衝撃シーンの連続。

 

スタイリッシュなアクション映画かと思ったら、泥臭い暴力とバカバカしい裏切り、行き当たりばったりな殺し合いが繰り返され、クライマックスはただの地獄。

 

そんな殺伐とした世界観でも、シャーリーズ・セロン嬢は優雅さを保っているから凄いです。ボッコボコに殴られてヘロヘロになっても、セロン嬢は美しすぎるの、ほんとさすがです。

 

 

10位『ゲット・アウト

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人間の欲望の限界の無さを描いた作品ということで、今年いちばん恐ろしかったです。

 

展開は先読み不可能。

なのに、何か不吉なことが迫っていることは容易に感じ取ることはできる。

 

「怖いことが起きるけど、それが何かわからない」という不安感をあおりまくる演出が見事でした。

 

 

以上、管理人の2017年ベストテンでした。

 

共感していただけた方、もしいらしたらぜひぜひ他の記事も読んでいただければ幸いです!

今後ともどうぞよろしくお願い致します!