ローデッド式デヴォンクラッチ

映画ファン最後の良心デヴォン山岡が映画を楽しみまくって感想を書きます。

30年後にタイムスリップしてエイリアンと戦争! 『トゥモロー・ウォー』はムチャクチャすぎて最高!

 

今世紀最高にぶっ飛んだ映画を観た。

 

マジでこの映画はヤバすぎる。

 

アマプラ限定で配信されたクリス・プラット主演のSFアクション『トゥモロー・ウォー』を君は観たか?

 

なに、観てない?

 

 

話にならんな!

 

 

全宇宙の映画ファン必見の超大作『トゥモロー・ウォー』を観ずに映画は語れないだろう。

 

カンタンに説明すると、エイリアンと人類との戦争を描いた作品。

しかし、具体的に説明すると、もうムチャクチャすぎて「なんじゃそりゃ」としか思えない内容だから困る。

 

ある日、主人公のダン(クリス・プラット)が可愛らしい娘(9歳)と一緒にリビングでサッカー中継を観ている。

すると、試合中のサッカーのグラウンドが異世界と繋がり、ワームホールから武装した軍隊が登場。

 

「30年後に世界はエイリアンと戦争して滅亡寸前だ! おまいら、助っ人に来てくれ!」

などとテレビ中継で全世界に訴えるのであった。

 

しかもそんなムチャクチャな徴兵が平然と受け入れられ、半ば強引に普通に暮らしていた一般市民たちがエイリアンの跋扈するヤバすぎる30年後の未来に飛ばされちゃうから驚き。

 

しかも訓練もロクにせずに、戦闘服と武器を与えられて未来へ吹っ飛ばされる。

 

ここまで映画開始から約15分

とんでもないテンション&スピード感である。

 


よくわからんが勢いだけで突っ走るパワフルな脚本すごいよ

 

冒頭からカオスすぎて立ち眩みハンパないのだが、未来に飛ばされてからもまた凄い。

 

タイムスリップで30年後に飛ばされるも、到着先をミスってしまい、地上何十メートルというとんでもなく高い所に転送されてしまった可哀想な助っ人市民たちが、わけもわからず落っこちて死にまくる。

 

運よくビルの屋上のプールに落ちたダンたち数人は助かるが、ほとんどが問答無用の墜落死という、ミッションスタートからありえない大惨事が勃発するのだ。

 

せっかく集めた助っ人を、闘うこともなく一瞬で死なせる最悪すぎるミスなのに、オペレーターの「失敗しやした!」のひとことで、誰かが責任追及されるような描写がひとつもないのがマジで潔い。

 

命が軽すぎて笑ってしまうわけだが、この映画においては、この先の展開もすべて人間の命が綿アメよりも軽いので問題なしであった。

 

そんなこんなで、30年後の未来にやってきた主人公たちは、よくわからない作戦に駆り出されたり、エイリアンのボスを捉えたり、逆にボコボコに復讐されたりするわけだが、とにかく飽きないし中だるみが一切ない。

 

とんでもないテンポの速さで次から次へと話が進むし、そもそもムチャクチャすぎてツッコミが追い付かないから、疑問点なんかも全部「まあいいか」で済ますしかない。

 

考える余裕もないほどフルスロットルで展開する物語に、俺たちは身を任すしかないのだ。

 

 

エイリアンの造形が素晴らしい!



 

人類の敵であるエイリアン「ホワイトスパイク」の造形は、ここ最近のSFホラーに出て来たモンスターの中でもベスト級にキモイ

 

そして、めちゃくちゃ動きが速いのはいつものことだけど、こいつは飛び道具として毒針を飛ばしてくるから超厄介である。

 

あと何が凄いって、民間人を戦場に送り込むのに、軍の上層部は「ホワイトスネイク」がどんな姿をしているかを教えない。理由は「見た目がコワすぎて兵士が怖気づいちゃうから」という鬼畜ぶり。

 

エイリアンもおっかないけど、理不尽すぎる政府や軍のほうがもっと怖いのが、この作品の風刺なのだろうか。

 

 

実は世代を超えた親子の物語

序盤の常識ハズレな導入から一転し、中盤以降でこの物語が実は親子の物語であることが判明する。

 

30年後にタイムスリップしたダンが出会うのは、現実世界では可愛らしい9歳の少女だった自分の娘。

 

娘は指揮官として最前線で闘う軍の戦士となっており、父親への疑問を持ったまま大人へと成長していたことが判明する。

 

さらに、ダンも現在進行形で父親と深い溝ができており、このエイリアン退治がきっかけでその絆が試される展開になるのだ。

 

時空を超えた大冒険が世代を超えた親子の絆の物語となるパターンはSF映画にはありがちだが、前半のブッ飛んだ流れから後半でしっかりとしたヒューマンドラマに立て直した手腕には素直に感心した。

 

まとめ

 

ワケのわからないストーリーと常識ハズレな展開で、鑑賞者の評価が賛否両論となった『トゥモロー・ウォー』。

 

民間人を問答無用で戦場に送りつけて、しかも軍隊のフォローもほとんどなく無駄死に連発という、ありえないほどムチャクチャな前半で「ひどい映画だ!」と怒り出す人もいただろう。

 

しかし、決してツッコみどころとテンションだけの作品ではなく、脚本も非常に練られた作品であり、なおかつテンポ良く何も考えずにスペクタクルを楽しめる。

 

特にクライマックスで1点2転するミステリアスな展開も見事だった。

 

この “なんでもあり” な大胆なエンタメ性が話題を呼び、Amazonプライムビデオでの再生数も記録的に伸ばしているのも納得だ。

 

しかも続編企画も立ち上がったというから今後が楽しみ。。。いや、あのラストからまた続くのかと思うとちょっと不安もあるが。