デヴォン式ローデッドクラッチ

映画ファン最後の良心「デヴォン山岡」が映画を楽しみまくって感想を書きます。

ホラー映画の最先端にして最高峰、『来る』が来る!

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「く~る、きっとくる~」

なんていう曲が主題歌のジャパニーズホラーの大傑作『リング』(1998年)で、すでにこの作品の出現を予言していた感満載であるが、それもあながち冗談というわけでもないのが、この作品の原作『ぼぎわんが、来る』は『リング』同様に角川ホラー文庫のエース級作品であり、原作者自身も『リング』にバリバリ影響を受けているとこが見て取れるから。

 

古くから言い伝えられる田舎の邪悪な物の怪「ぼぎわん」に取り憑かれてしまった家族が、その呪いをなんとか祓うために奔走するという、よくある設定のホラーであった。序盤は。

 

しかし、この物語は化け物に取り憑かれて悲惨な目に合うだけでは終わらない。

なぜなら「それ」は、関わった人間の負のパワー、嫉妬や不満や不安や憎悪などの感情をエネルギーに、その邪悪パワーを増幅&増殖させるという超絶厄介なおばけなのであった。

 

つまり巻き起こる怪異はじょじょにエスカレートしていき、とてもじゃないが軽薄を絵にかいたようなチャラ男の主人公、妻夫木聡くんには太刀打ちできない。

 

そんな「この呪い、誰かなんとかして」といった、ワラをも掴むような状況で現れるのが小松菜奈のキャバ嬢霊能者。

 

2018年、俺がもっとも感動した青春ムービー『恋は雨上がりのように』では中年オヤジに恋する女子高生を清楚かつ儚げに演じた小松さんが、今回は金髪キャバ嬢というそのキャラクターの振り幅に悶絶せずにはいられないわけだが、よく考えたら小松菜奈の長編デビューは同じ中島哲也監督の『渇き。』なのであった。

あれも強烈な女子高生の役だったので、やはり小松さんにはそういった異質なオーラを持つ存在みたいな役が合っているのかもしれない。

 

とにかく、取り憑かれた者の周囲で起こる怪異と呪いをめぐるミステリー、そしてクライマックスの化け物VS霊能者のバトルまでを怒涛のハイテンション展開で描く中島哲也監督のパワフルな演出が凄い。

 

呪われまくり、人死にまくり、血しぶき飛びまくり、毛虫うごめきまくりの衝撃ショック映像が、ポップなBGMと軽快なカット割りでドカドカ飛び出し、わーわー言っている間に上映時間2時間が過ぎてしまうという圧巻のホラーエンタテインメントになっており、間違いなくこの作品はジャパニーズホラーの最高峰であり最先端でもあるのだ。

 

 

 

リアリズムと虚構の絶妙なバランス

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物語はオバケに狙われた夫婦(妻夫木&黒木華)、その親友(青木崇高)、霊能者(小松)、オカルトライター(岡田准一)を中心に展開。

 

前半は、絶望的に世間体だけを気にするリア充夫の妻夫木と地味で無口でストレスを溜めがちな黒木との、壊れかけた夫婦生活が描かれるわけだが、このチャラ夫の妻夫木がもうダメすぎて笑ってしまう。

 

仕事先やSNS上で「見せたい自分」を演出して、いわゆる「映え」重視の投稿してみたり、イクメンアピールしてみたりで周囲から尊敬されているんだけど、いざ家庭の中では子どもほったらかし、家事まったく手伝わない、身重の奥さんもいたわらないでもう最低。

世の夫連中が「どこの俺だよ!」と口を揃えて言ってしまいそうなリアルダメ男。

 

そんなダメ亭主に愛想を尽かして、溜まったストレスを愛娘に向けてしまう悲惨な奥さん。

 

見ているのがつらすぎるほどの崩壊直前の家庭に、少しづつ「それ」が侵食していくといった流れが、まさに今そこにある現代社会の闇”といったリアリズムで描かれているのだ。

 

妻夫木の空っぽ感ある軽薄チャラ演技が本当に素晴らしい。

こいつが「それ」の呪いに悩まされる姿が、怖くもあり、同時にもうこのダメ亭主は死んで良し!とか思わずにはいられないほど自業自得感に満ちていて困る。

 

また、奥さん役の黒木華は、疲れた主婦のダークな雰囲気を出しつつも、だらしないエロさも同時に醸し出していて、そのへんも生々しくてリアルだったりする。

 

こうした終わりかけの夫婦関係のリアル描写の中に、極めて映画的でド派手な怪現象がブチ込まれるわけで、そのバランス感というか、もっと言っちゃえば強引さ、大胆さがこの作品に漂うスピード感の要因なのであろう。

 

霊能者のキャバ嬢とオカルトライターの凸凹コンビが現れてからの展開は、とたんにファンタジー味が増してテンション共々盛り上がってくるわけだが、やはりそれは前半の社会的闇案件のリアルな描写によるところが大きいんじゃないかなと思った次第。

 

そしてこの物語、中盤以降でまたも様子が変わってくるから面白い。

最強霊媒松たか子が登場し、事態はますます深刻かつ危険かつバカバカしさを帯びてくるのだ。

 

 

 

 今世紀最大級の除霊シーンが凄い

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最初でも触れたが、この作品における怪異は『リング』や『呪怨』などとはレベルが違う。

敵は、人々のストレスを喰らいながらパワーアップし、邪魔する者はことごとく物理的に惨殺してしまう化け物(というかもはや怪獣)なのである。

 

よって、追い払うためにはそれ相応のパワーを持つ存在が必要。

ってことで登場するのが、人間界最強の松たか子さん。

 

つまりクライマックスは、強力になった「それ」を『コクソン』の500倍の規模でエクソシズムするという圧巻の霊媒スペクタクルが展開するのだ。

 

このへんになると、もう前半のリアルさとは真逆のスケールでブッ飛んだシークエンスが連発。

松たか子マンガみたいなキャラクターも相まって、その物語は異次元の面白さへと変貌していく。

 

いやー、ほんとホラー映画なのにアクション映画を観ているみたいに目まぐるしくて疾走感が凄い。

 

中島哲也監督の作品はもともと、どんなジャンルであろうとハイテンションな展開と大胆で濃厚な画作りが特徴だが、ホラー映画ですらここまで豪快にエンタメしてくれるとは思わなかった。

しかも、ちゃんと怖いから凄い。夜中に思い出してブルっとくるほどこの作品は怖いのだ。

 

 

 

まとめ


ホラー映画の常識をまたひとつブチ破ってしまった本作。

もちろん原作そのものが非常に素晴らしいホラー小説なのもあるが、やはりここまで盛大なエンタメとして映画化してもその恐怖と忌まわしさをキープさせている中島哲也監督の作品作りの的確さには尊敬しかない。

 

先読み不可能のザッツ・化け物エンターテインメントホラー『来る』は、間違いなくジャパニーズホラーの歴史を変える傑作であり、今年もっとも観るべき映画の一本である。

 

ホラー好きならば、なにがなんでも観ろ。

 

 

100億点満点!

 

 

 

 

 

絶対にひとりで観て! 別次元の「異様さ」にたどり着いたリメイク版『サスペリア』

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俺はいま、聴くだけでド派手に呪われそうな初代『サスペリア』(1977年)のテーマ曲を流しながらこの感想文を書いている。

音楽を担当したイタリアのバンド「ゴブリン」の代表曲のひとつであり、ホラー映画BGMの中でも『エクソシスト』のテーマ「チューブラー・ベルズ」に並ぶ超有名なサウンド

その美しく儚げなメロディと民族楽器の音色との不気味な融合、時折挿入される魔女のささやき(みたいなダミ声)がとんでもなく恐ろしい。

 

ダリオ・アルジェント監督の名を一躍有名にしたホラーの古典『サスペリア』は、俺にとって怖い映画というよりも、なんつーか、その、とても狂っている変な映画というイメージだ。

音楽も、ビジュアルも、物語も、展開も、ことごとく常識ハズレで変態なので、思春期に観た俺にとってはけっこうなトラウマ。。。

というか、この作品を運悪く多感な時期に観た人間なんてのは、もう間違いなく俺同様にトラウマを植え付けられているはず。

 

今回リメイク版を監督したルカ・グァダニーノさんもまさにその一人であった可能性が高い。

少年時代(13歳の頃だったそう)にこの映画を見た瞬間に、彼は「ぼくも大きくなったらサスペリアを撮りたい!」などと言いながら、この作品の再映画化を夢見るという完全にヤバイ青春を送っていたんだって。

 

サスペリア』は「とんでもなく変な映画」ゆえに公開時のインパクトも大きく、今なおカルト的な人気を得ている。

 

ファンも当然観る目が肥えているので、ちょっとやそっとのリメイクじゃあ納得しないのは明らかだし、そもそもすでにあの時点で完成されていたダリオ・アルジェント監督の変な美的センスやら変なショック描写やら変なミステリー展開やらを模倣しようにも、そんなものは到底無理である。

 

『ゾンビ』(リメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』)や『悪魔のいけにえ』(リメイク『テキサス・チェーンソー』)のように容易にリメイクできるような作品ではないのだ。

そんな、どう考えてもリメイクが難しい作品にあえて手を出したルカ・グァダニーノなる男はタダモノではない。


俺なんかも「普通の映画になっちゃってたら残念だなあ」なんて思いながら鑑賞。

そう、結局いちばんの不安は「普通のホラーになってしまっていること」なのだ。

 

「圧倒的な変さ」こそが『サスペリア』の大きな魅力ゆえに、リメイク版でそこを修正されて正統派ホラー化されてしまうとファンとしてはマジで困ってしまう。

 

で、結論なんだけど、リメイク版の『サスペリア』は、なんと驚くべきことにダリオ・アルジェント監督とはまた別ベクトルでとんでもなく変な映画だった。

いや、もはや「変」というレベルではなく、オリジナルの100倍「異様」で狂気に満ちた壮絶ホラーになっていたのだ。

 

 

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驚きの再構築で狂気度UP! 地獄度UP!

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リメイクではなく「再構築」と言ったほうがしっくりくるくらい、本来の『サスペリア』のベースの部分だけを残して、あとはまったく別の世界観となっている本作。

 

印象としては、オリジナルに比べて美しさ100倍、狂気100倍、残酷さ100倍、おぞましさ100倍、つまり、すべてが地獄方向にパワーアップしているという驚きの出来で当然満足度も100倍なのだ。

 

オリジナル同様に、主人公がダンサーになるという夢と希望を胸に有名舞踏団の門を叩くところから始まるが、そこからの展開がエグさと生々しさに満ちていて、とにかく不気味。

美女だらけのダンサーたち、エロチックなダンスレッスン、得体のしれない邪悪な存在の鼓動、講師たちの謎の行動。

主人公以外の登場人物たちにもクローズアップしながら、さまざまな視点から『サスペリア』の物語を展開させ、ときにその描写はキャラクターの精神的なイメージにまで及ぶ。

一歩間違えると実験的なアート作品になってしまいそうなギリギリの不条理さ&幻想的な演出が、まるでデヴィッド・リンチの作品のようでもあるが、しかし根底にはオリジナル版へのリスペクトがしっかりと見て取れるから凄い。

 

姿カタチがまるで違うのに、それは間違いなく『サスペリア』でしかないのだ。

 

ルカ・グァダニーノ監督、よくもこんなとんでもないリメイクを創り上げたものだ。

サスペリア』と言う作品を、どれだけ愛し、分析し、研究すればこんな完璧な再構築が可能なのか?

なんと上映時間は152分という長尺でありながら、この濃密さ、絵的な美しさ、物語の面白さはタダゴトではない。

 

 

完璧すぎるキャストと音楽がとにかく凄い

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主人公スージーを演じるのはダコタ・ジョンソン嬢。

成人映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で惜しげもなくセレブセックスを見せつけていたあの少女なので、今回も愛しさとエロさと心強さ満点の見事なパフォーマンスを魅せる。

 

さらに、舞踏団のカリスマ指導者マダム・ブラン役は、俺の中で「ガチの魔女なんじゃないか?」という疑いが年々強くなっているティルダ・スウィントンである。

 

もうこの時点で美的センスが爆発しているわけだが、そんな危険なキャラクターたちの物語を盛り上げる音楽がこれまた凄い。

オリジナル版でも重要な役割を担っていたゴブリンのプログレッシブ・ロックに負けず劣らずのインパクトで鳴り響くのは、あの『レディオヘッド』のトム・ヨークによる楽曲である。

ポップでありながら破壊的な迫力と官能的な魅力を併せ持った美しきロックの調べが、新たな時代の『サスペリア』に華を添える。

 

この完璧な布陣でこそ実現した、もっとも高級&高尚なリメイク作品。

 

「決してひとりでは見ないでください」?

 

いや、『サスペリア』の濃密すぎる映像体験は、絶対にひとりで観て、その心に誰とも共有できない禁断のトラウマを植え付けられて欲しいな。

 

 

 

静かにはじまる地獄へのカウントダウン。『ヘレディタリー/継承』

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「ヘレディタリー」というワードには、「遺伝」とか「親譲りの」といった意味があるそうで、つまりこの映画は「何か」を親から継承する映画です。

 

なんかもうこれだけですでに怖いというか、親から引き継がれる厄介事なんてのはもう子どもにとってはホラーでしかないですよ。

それが莫大な借金とかでも怖いし、もともと呪われた家系だったってのも怖い。

 

『ヘレディタリー/継承』の物語は、まさにその親(母親)のお葬式から始まります。

母親が亡くなりました、さて母親から娘に継承されたモノとは?

 

 

 

 

 

 

これぞオカルト映画の最高峰

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オカルト映画の恐怖というのは、殺されたり、追いかけられたり、モンスターが暴れたりといった物理的なものではなくて、知らぬ間に日常が少しづつ変化していき、ひっそり淡々と取り返しのつかない状況へと導かれてゆくという恐怖です。

 

たとえば、エクソシスト『シャイニング』など、取り憑かれた家族が徐々に狂っていく恐怖もあれば、日本映画の『リング』残穢のようにある行動がきっかけで呪われてしまうという恐怖もあります。

 

これらの映画で被害に遭う憐れな人たちの共通点は、どの作品もじっくりと時間をかけて(リングの場合は一週間)絶望に向かっていき、気付いたときには「もう遅い」パターンが多いこと。

一部始終を知ってる我々観客は「早く事の重大さに気付いて!」なんてヤキモキしながら観たりするわけです。

 

そういったオカルトモノが大好きな俺が、過去もっとも恐怖した作品のひとつにパラノーマル・アクティビティがあります。

 

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この作品は、定点カメラで部屋の一室を撮影していたらヤバい怪現象が映ってましたよといった心霊動画ホラーなのですが、最初はちょっとした気のせいかとも思っていた不思議な出来事が、意味不明にエスカレートしていってついにとんでもないことになってしまうという内容です。

 

まさに、些細な変異の数々によって日常がじわじわと侵食されていく、俺のもっとも好きなタイプのオカルトホラー。

 

で、今回観た『ヘレディタリー/継承』はまさにそのタイプの最高峰ともいうべき大傑作でした。

 

とにかくオープニングから、ある家族に不吉なことが起ころうとしていることがなんとなくわかります。

しかし、何が起こっているのかその全貌はまったく掴めないわけで、不穏なカメラワークや画面に映る意味深なアイテムや不気味な旋律を奏でるBGMによって、その不安は観客の心を侵食していくのです。

 

つまり、稲川淳二が始終ずっと「やだなあ、やだなあ」って言ってる感じと言えばわかりやすいでしょう(反論却下)。

 

こうして、序盤で観客が全員例外なく稲川淳二になったところで、静かにはじまったはずの地獄のカウントダウンは、急に勢いを増してさらなる絶望を畳みかけてくるのです。

 

 

 

人間の心をえぐる恐怖

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『ヘレディタリー/継承』の凄いところは、人間の心の闇とか、後ろめたい罪の意識とか、そういった登場人物の精神的な弱さが丁寧に描かれているところです。

 

悲劇に遭う一家が精神的に追い詰められ、正気と狂気のはざまで「正しいこと」をしようともがくわけですが、結局すべての選択を間違ってしまう。というか、気づいたときには選択肢などまるで無くなっているという怖さ。

 

ホラー映画のくせに、登場人物たちの行動や言動、表情などすべてに説得力があり、終盤はとんでもないブッ飛び展開になるのにリアリズムすら漂ってしまう。

 

この巧妙な演出力は、長編デビューの新人監督とは思えない繊細さです。

 

さらに、恐怖演出のためならば容赦ないショック描写にも躊躇しないタフな作風にも、個人的に感銘を受けてしまいました。

 

キャストも顔面力の強い俳優陣を意図的に起用していて、これもまた映像のヤバさに繋がっているので、とにかく登場人物の顔だけでゾッとする迫力になっているのがすげえ。

 

 

 

まとめ

 

恐怖度で言えば今年ナンバーワン、いやマジでオカルトホラーの新たな金字塔になるのではないかという大傑作です。

 

ホラー映画好きであれば必見だし、ホラー好きじゃなければぜったいに観ちゃダメ。

 

鑑賞後の数日間は、夜中にトイレに起きたら暗闇にきっと何かが見えます。

自己責任で。

 


100点満点!

 

 

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静寂が奏でる恐ろしくも美しき世界『クワイエット・プレイス』

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人間は、音をいっさい立てずに生きることができるんでしょうか?

 

改めてそんなことを考えると、結論としては「無理!」ってなりますよね。

 

だって俺はいまこのテキストを打ち込んでいるだけで、すでにさまざまな音をまき散らしております。

 

パソコンのキーボードを打つ音、鼻をすする音(アレルギー)、あくび(静かにやれ)、スピーカーから流れるスマッシング・パンプキンズ(消せ)、学生時代に好きな子にアタックして人前で派手にフラれた記憶を突然思い出して叫んでしまう(それはしょうがない)等、一瞬たりとも静かにできない

 

よく小学生時代の通信簿に「落ち着きが無い」と書かれておりましたが、ハッキリ言っていまだに同じです。

 

というか、小学生時代に落ち着いてる奴ってなんなん?

 

もう俺にとっては「落ち着く」という状況自体が困難極まりないというか、普通に80歳過ぎてもフラれた記憶を蘇らせて老人ホームで叫んでそうです。

 

で、介護士に「あの痴呆症のジジイうるせーな」なんて陰口たたかれるんだけど、いや痴呆どころか高校時代の失恋思い出してんだよこちとら! なんて心の中で反論したりして、、、って何の話でしたっけ?

 

あ、そうそう。音を立てると死ぬ映画クワイエット・プレイスの感想文だった。

 

この作品、とにかくホラー映画として完璧です。

 

ストーリー完璧、シチュエーション完璧、恐怖演出完璧、脚本完璧、役者完璧、ヴィジュアル完璧、そしてなによりラストが完璧!

 

ここ重要です。

 

ラストがとんでもなく素晴らしい!

 

鑑賞後に「おおおお!」と思わず声出して興奮してしまうので、もし映画館がクワイエット・プレイスだったら観客全員死んでるよほんと。

 

 

 

 

完璧な世界観で展開する極上の恐怖

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クワイエット・プレイス』は、音を立てると問答無用で即死する世界なので、当然のように俺のような万年わーわーやってる人間は秒殺されます。

 

つまりこの作品、落ち着きがない人間にとっては地獄の世界観なわけです。

 

開始直後から最後までずっとクワイエット・プレイスですから、上映中はひたすら恐怖しかない。

 

音を立てたら死ぬ世界で、音を立てずに日常生活を送る家族の物語。

「世界を変えよう」とか「原因を突き止めよう」とか、そんな大それた話ではありません。

とにかく生活する、生きのびることだけが目的であり、どこにでもいる普通のファミリーが主役であり、もちろん特殊能力や高度なサバイバル能力もありません。

 

冒頭から、何の問題も無く完全に登場人物に感情移入できることが、この作品がホラーとして優れている要素のひとつです。

 

当然、物語は音を立てずに展開するので、囁くような小声、あるいは手話、表情などでコミュニケーションが描かれているのも緊張感をさらに大きくします。

 

たとえば、物を落としたり、何かにぶつかったりしても音が出るので危険ですし、怖さのあまり悲鳴をあげたりなんかしたらもう完全にアウト。

 

ホラー映画なのに悲鳴ナシ。

 

悲鳴を上げたら最後、ユーキャンストップ!

まさに実写版プリングルスな極悪シチュエーションが90分間つづくスリル満点の世界観は、とんでもなく怖いのにとんでもなく心地よい。

 

車や飛行機、工場、テレビ、洗濯機など、便利さを求めて日常にあらゆる物音が鳴り響く現代社会を生きる俺たちですが、この映画における音の無い静寂の世界はどこか懐かしく、精神的な安らぎを感じてしまう。

 

もしかしたらこの作品、音を出し過ぎている我々人間社会への警鐘とも言えるのかも。

 

 

 

 

最悪な環境への生物的対応力がすごい

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この作品、音を出しちゃダメな設定だからこその、アイデア満載の「音出ちゃいそうスリル装置」がところどころに仕掛けられています。

 

あ、これ音が出ちゃうかも! ヤバイ!

 

てな伏線がいろいろと登場して、とにかく観客をどんどん緊張させてきます。

 

主人公ファミリーには子供が3人もおり、1人は幼児なのでもうその時点で気が気でない。

たとえば音の鳴るオモチャなんかを子供が手にしたら、劇中の登場人物だけじゃなく観客もことごとく戦慄せざるを得ないですよね。

 

「それダメ! ぜったい!」

 

もうひとつ、この作品でもっとも恐ろしいのは、奥さんが妊娠しているという状況です。

 

いや、このシチュエーションで妊娠する?

 

つまりこの夫婦、音を立てずに出産して、さらに赤子を育てようとしているというところが驚き。

 

「おもちゃの音を鳴らしてしまう幼児」と「避妊せずにセックスしてしまう大人」、危機感の欠如に差がほとんどないというところが人間らしくて俺は好き(笑)

 

で、何が言いたいのかというと、「音を立ててはいけない」という特殊な世界でも、人間って生きていればそれなりに環境に順応するんだなってことです。

 

沈黙という恐怖に支配されつつも、子供たちはそこで生き延びる知恵を得てしっかり適応するし、それなりに準備をすれば赤ちゃんを育てる事も可能だと選択もできるわけです。


いやー、人間って、本当にたくましいですよね。(BY 水野晴郎

 

 

 

まとめ


音を立てないスリルと過酷なサバイバル、大事な人を守る家族愛。

 

ホラー映画としてこれ以上ないほど完璧な要素が集まった、極上のシチュエーションスリラー『クワイエット・プレイス』。

 

アメリカでは異例の大ヒットを飛ばしたそうで、続編が作られたら嫌だなってほど完成度が高い作品でした。

 

主演のエミリー・ブラントは、監督&出演者も両方こなしたジョン・クラシンスキーさんの嫁でもあります。

さらに子役の女の子ミリセント・シモンズちゃんは本当の聴覚障がい者ということで、この人の手話がもう迫力満点。

 

しかも「音が聞こえない」という立場がこの物語でも重要な役割を担っているのでそのへんも注目です。

 

鑑賞中はポップコーンを噛み砕く音すら抑えようと神経使いまくるであろうこと必至。

何も食べずにひっそりと、固唾をのんで鑑賞すべし!

 


100点満点!

 

 

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9/28(金)全国ロードショー

とりあえず黙って観ろ!

 

 

『オーシャンズ8』は、あり得ないほど贅沢すぎる至福の映画体験だ!

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 (C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 

 2001年に公開して大ヒットしたクライムサスペンス映画『オーシャンズ11』をご存知でしょうか?

 

ジョージ・クルーニーブラッド・ピットマット・デイモンといった主役級のスターが出演し、窃盗チームを組んで知的かつスタイリッシュに裏稼業を成し遂げるといった作品で、当時は「ハリウッド史上最強の犯罪ドリームチーム」なんてコピーで盛り上がっておりました。

 

しかし、フタを開けてみると、その窃盗チームにおけるスター俳優はその3人のみで、残りの8人はとても地味なメンツとなっており、メインビジュアルに出ていたジュリア・ロバーツアンディ・ガルシアはチームの一員ではないというガッカリの内容だったのでした。

 

鑑賞後の感想

 

「それほどドリームチームじゃなかった・・・」

 

 

あれから17年の時を経て、シリーズを継承する最新作オーシャンズ8が公開。

 

 

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メインキャストには、サンドラ・ブロックケイト・ブランシェットなど、とにかく凄い豪華女優が名を連ねておりますが、1作目のガッカリ感が脳裏に残る俺としては「どうせまた全員がチームメイトじゃないんでしょ」なんて疑念まみれで鑑賞。

 


鑑賞後の感想

 

「スゲエよ! むちゃくちゃドリームチームやないか!」

 

 

 

 

 

 

キャストが神! サンドラ・ブロックひさびさに見たわ

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オーシャンズ8』で活躍する、クセ者揃いの女性たち8人による窃盗チーム。

 

これがもうワクワクするほど豪華なメンバーなので、まずこのキャストだけで心が惹かれまくります。

 

サンドラ・ブロックケイト・ブランシェットアン・ハサウェイサラ・ポールソンヘレナ・ボナム・カーター、リアーナといった凄まじく個性派な女優陣がチームプレイをするってだけでたまりません。

そこに、アジア人ラッパーのAWKWAFINA(オークワフィナ)やインド系アメリカ人のミンディ・カリングが加わり、人種も個性もバラエティに富んでいて、刺激的。

 

8人それぞれのキャラクターの作りこみも絶妙で、性格と得意分野を生かして全員が輝くように練られた脚本も見事でした。

全員が揃ったシーンの豪華さは悶絶モノですよ。


で、とにかく俺のイチオシはサンドラ・ブロックですね。

めっちゃひさびさに映画館でサンドラ・ブロック見ましたが、いままで何やってたんだこの人。

 

まさか、本当に刑務所に入ってたんじゃないのか?

 

そんな不謹慎なことを考えてしまうほど懐かしかったわけですが、5年ぶりくらいに見たサンドラの姿はかなりのイイ女

 

若いころはどちらかというとイモっぽいイメージというか、田舎臭い顔でしたが、熟女と化した今のサンドラは色気ムンムンで魅力がすごいよ。

 

ケイト・ブランシェットと並んでも十分貫禄は負けていないし、アン・ハサウェイと比べても色気で負けてない気がします。

このサンドラが魅せるオーラとカリスマ性は、この作品の見どころのひとつですね。

 

 

 

スタイリッシュで痛快、豪華絢爛なクライム映画

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計画の首謀者であるデビ―・オーシャン(サンドラ・ブロック)は、前作でジョージ・クルーニーが演じた泥棒のスペシャリスト「ダニー・オーシャン」の妹という設定です。

 

ダニーは、ラスベガスの巨大カジノをはじめ、難攻不落の金庫破りを次々に成功させていましたが、今回この兄の遺志を継ぐ妹デビ―が挑むのは、カルティエが作った1億5000万ドルの宝石

 

しかも盗みの舞台は、メトロポリタン美術館で行われるファッションイベント「メットガラ」というね。

 

ストーリーだけでもうゴージャスすぎるわけですが、もちろん窃盗計画の全貌も大胆でゴージャス。

サンドラ演じるデビ―が、刑務所の中で5年かけて計画したその巧妙なトリックは、観客も思わず騙されてしまうほど、先読み不可能で驚愕&痛快でした。

 

セクシーな悪女たちによる鮮やかなチームプレイに魅せられる。

しかも、ただのスタイリッシュなクライムサスペンスじゃなくて、この映画には「スターの競演」という映画ファンにはたまらない魅力もプラスされるので、もうオープニングからラストまで豪華さが持続するわけです。

 

 

 

 まとめ

 

存在感抜群の8人の美女が大暴れする『オーシャンズ8』。

 

オーシャンズシリーズを観ている人ならば文句なしで楽しめるけど、実は過去作を観ていなくてもぜんぜん問題なく楽しめる親切設計でもあります。

もし、予習してから観たいという人でも、シリーズ過去3作のうち1作目『オーシャンズ11』だけ観ておけば大丈夫。


正直、俺は1作目しか観ていないんですが、『オーシャンズ8』メチャクチャ楽しかった。

豪華なキャスト、スタイリッシュな展開、痛快な物語、エンターテインメントとして文句なし!

 

よって点数はこうなります。


100点満点!

 

 

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このエージェント、運を天にまかせすぎ! 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』がとんでもないぞ!

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 依頼されるミッションは、いつも成功率0%のインポッシブルかつ常識ハズレなものばかりなのに、いつも運の良さだけで任務を遂行してしまうことでお馴染みイーサン・ハントさん。

 

危機また危機の連続に見舞われるのに、なぜかギリギリ死なない。

 

まったくもって、運がいいのか悪いのかわからない百戦錬磨のスパイチームを描く、ハチャメチャブッ飛びアクションシリーズ『ミッション:インポッシブル』の6作目。

その名も“フォールアウト”ということで、不吉すぎるタイトルの通り、核爆弾をめぐる地獄の落下アクションが展開されとりました。

 

 

 

 

 

トムクルさん、高いとこ好きすぎで、もはや微笑ましい

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トム・クルーズ演じるIMFエージェント「イーサン・ハント」と言えば、危険なことが大好きな天性のドMスパイです。

とにかく命がいくつあっても足りないほどデンジャラスな行動をしまくる。

安全な方法と危険な方法、どっちを取るか? と聞かれたら、迷わず「危険なほう」を選択します。

まったく躊躇しない。そこがイーサンの凄いとこなんです。

 


崖が好き。

 

高層ビルが好き。

 

飛行機が好き。

 

お空が好き。

 


高いとこさえあればゴハン何杯でもいけるよ俺。

なんてことを真顔で言っている(嘘)

 

で、例によって今作でも高い所に登っては、バンバン落ちまくります。

それがもうとんでもないスリルで、大画面でそんなものを見せつけられる観客の心労たるやハンパない。

 

落ちそうで落ちないスリルじゃないですよ?

 

ハナから落ちるんですよ。すぐ落ちやがる。

 

しかも、トムクルさんはそんな高い所のシーンで、スタントも自分でやったりします。

過去にも、高層ビルの壁に貼りついたり、飛行機にしがみついてそのまま離陸したりと、CGの発展したこの時代に「もうお前がそれやらなくてよくね?」みたいな愚行を散々と繰り返しており、今作では空を飛んでおります。

 

ぬわんと高度7620メートルからスカイダイビングをしています。

 

敵に気付かれないように潜入するための作戦なので、まあそういうやり方をすることに文句は無いですが、トムクルが自ら飛ぶ意味がわからない。

だって、高度がありすぎてヘルメットと酸素ボンベ必須のダイビングですよ。

フルフェイスのヘルメットをしたら顔は見えないんだから、スタントマンにアクションしてもらえばそれで済む話でもあるわけです。

 

なのにトムクルは自ら飛ぶ。

ということは、ヘルメットかぶってもトムクルの顔を認識できるようにしなきゃいけないってことで、今度は特注でわざわざ顔が見えるヘルメットを作るという意味のわからなさ。

 

イーサン・ハントと同じで、トムクル自身もとにかく「危険なほう」を選んでしまう病気なんですね。

もはや危険なことをしていないと自らを生存確認できない、どこぞの爆弾処理班みたいな精神病を患っているトムクルさんの、デンジャラスなスパイ活動。

これを劇場で見届けることは、我々トムクルファンにとって、いや映画ファンにとっての大きな義務であると言えます。

 

 

このシリーズ、アタマおかしいだろ

 

そもそもこの『ミッション:インポッシブル』シリーズは毎回のように、やってることがアタマおかしい。

イーサン・ハント率いるこのスパイチームは、どう考えても無理ゲーなミッションばかり押し付けられており、とにかく作戦なんかもムチャクチャなわけです。

 

前作『ローグ・ネイション』では、敵の情報を盗み出すのに、水中の施設で3分間息を止めてデータをすり替えるという、もう半魚人にしかできないような作戦を立てて、見事イーサンは溺死してしまいます(笑)←いや笑い事じゃねーよ

 

幸い、サポート役のイルサにAEDで蘇生させられて生き返りましたが、いや「生き返る」って何よ? ゾンビ映画かよ。デットプールかお前。

 

とにかくそんな死ぬこと前提みたいな作戦ばっかりやってて、それでも死なない(というか死んでたけど)スパイの話、マジで正気とは思えません。

つまりイーサンは、いつも運がいいからミッションクリアしているだけで、スパイとしての能力はあまり高くないんじゃない? という疑問が湧いてきますね。

 

「運も実力のうち」とは言いますが、もうそれこそ不老不死だからなんとかなっている作戦って、もはや作戦でもなんでもないじゃんっていうwww

 

もちろんイーサンの仲間メンバーである、サイモン・ペッグ演じる「ベンジー」やヴィング・レイムス演じる「ルーサー」、レベッカ・ファーガソン演じる「イルサ」も、それぞれの役割で大活躍するので、チームアクションとしても魅力的な物語ではあるんですが。

まあ、それがまたこのシリーズの面白さであり、ほかのスパイ映画との大きな違いなんですよね。

イーサンがわけのわからない作戦をして振り回されるチームというね。

 

最高かよ。

 

 

今回はスーパーマンことヘンリー・カヴィルさんがチームに!

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まとめ

 

過去最高にデンジャラスな作戦、過去最高のアクション、過去最高の先読み不可能な展開。

監督は前作に引き続きクリストファー・マッカリーさんが担当しているので、銃撃戦やカーチェイスの魅せ方、そして物語における巧妙なトリックの仕掛け方も完璧。

緊張感が持続する2時間半のランデブー、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』はシリーズ最高傑作に認定!

 

100点満点!

 

 

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圧巻のプロレスシーンに注目! 息子に見せる父の生き様『パパはわるものチャンピオン』が超泣ける!

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(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会

 

「プロレス」を題材とした映画は数多くあれど、この作品ほど本気のプロレスシーンが描かれた作品は今までなかったんじゃないでしょうか。

 

なんせ、演じているのはモノホンでガチの現役プロレスラーですから。

 

そのへんの俳優が、映画のクランクイン前の数か月間ジムに通って、手っ取り早く鍛えた見せかけだけの筋肉ではありません。

 

長年かけて鍛えられた、戦士の肉体を持つ者同士が、磨き上げられた技と動きで正真正銘のプロレスをします。

 

そんな、前代未聞のガチプロレスバトルを通して描かれるのは、驚くほど繊細で優しい父と息子の物語。

 

この映画は、すべての戦っている大人たちへのパワフルすぎるエールであり、俺なんかはもう涙涙でスクリーンが見えなくなるくらい泣きましたよ。

 

 

(予告編)

 

 

 

「プロレス」から学ぶ「人間の役割」

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主演の棚橋弘至演じるのは、ヒール(悪役)レスラーのゴキブリマスク(ひでえネーミング)。

 

相手レスラーへのスプレー顔面噴射、タッチロープでの首絞め、仲間を介入させての反則など、ありとあらゆる卑劣なファイトをする、まさにゴキブリのような嫌われ者レスラーです。

 

そんな自分のキャラクターを息子の祥太くんには知られないように生きてきたはずのゴキブリさんですが、ひょんなことからついにバレてしまい、案の定祥太くんは父親の姿にショックを受けてしまいます。

 

そりゃそうです。

 

だって名前が「ゴキブリマスク」だもん。

 

いくらなんでもネーミングセンスゼロじゃないですか(そこじゃない)

 
当然のように祥太くんは「悪役なんてやめて」と父親に訴えるわけですが、そこで父親のゴキブリさんが言います。

 


「悪者がいないと、エースが活躍できないだろ」

 


そう。ゴキブリさんは父親として、社会において人間にはさまざまな役割があるのだということを息子に教えるわけです。

 

闇があるからこそ光は輝くわけで、誰もが光になれるわけではありません。

 

ゴキブリマスクとして与えられた「悪役」の仕事を必死でこなす父親の姿を見て、祥太くんの心がどう変化するのか? それがこの作品の大きな見どころ。

 

とにかく、息子の祥太役を演じる寺田心くんが、もう信じられないほど素晴らしい演技をします。

 

耐えがたいお父さんの悪行に悲しみ、友達には恥ずかしくて言えずに嘘をつき、幼くして訪れた大きな人生の転機に葛藤する姿がとても健気。

 

そんな傷ついた息子と父親を支える母親役の木村佳乃もこれまた上手い。

 

いつも笑顔を絶やさない優しく気丈な母親を、ナチュラルな演技で柔らかく演じているのでとにかく安心感が凄いです。

 

多くの現役プロレスラーを配役に起用した作中で、この2人の並外れた演技がドラマを魅力的に引き立てて、ラストの大きな感動に繋げてくれるわけです。

 

 

現役プロレスラーたちによる本物の闘い

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「プロレス」の凄さは、鍛え抜かれた肉体のレスラーたちが、真っ向からどつき合い、ぶん投げ合い、痛めつけ合い、そこに勝ち負けだけじゃない戦いのドラマを生み出すところです。

 

観客は、派手な技やテクニックだけを見に来ているわけではありません。

 

レスラーそれぞれが背負うドラマと、そんな者同士が戦うことで生まれる化学反応を見に来ている。

 

自分自身のドラマがしっかりとあり、それを戦いを通して観客に伝えることができるレスラーこそが魅力あるレスラーであり、そんなレスラーにファンたちは自分の夢を託します。

 

そして、主演をつとめる新日本プロレスの人気レスラー棚橋弘至選手は、まさに人々に夢と勇気を与え続けてきたレスラーのひとりです。

 

彼がこの映画で「かつてのスター選手だけど今は悪役」というキャラクターを演じているというところにも、プロレスファンにとっての大きなドラマがあります。

 

さらに、作中チャンピオンでライバルでもある人気レスラー「ドラゴン・ジョージ」を演じるのが、これまた新日本プロレスのトップレスラー、オカダ・カズチカ選手であるところにも注目。

 

実際の新日本プロレスのリングでもライバルであるこの2人が戦うクライマックスのプロレスシーン。

 

プロレスファンの俺から言わせていただくと、このシーンはガチのプロレスです。

CGや特撮などの小細工なし。

 

リアルな攻撃、リアルな技、リアルな攻防が展開しており、映画におけるこんなに凄いプロレスバトルのシーンはまさに前代未聞。

 

本物のタイトルマッチを観ているかのような緊張と興奮が味わえる、現役プロレスラーを起用したからこその名シーンとなっております。

 

 

まとめ

 

感動的な親子のドラマに華を添える本物のプロレス。

 

その圧倒的な戦いに魅了され、父親の生き様に心を打たれ、子供たちが見せるレスラーへの憧れの視線に感動し、クライマックスはもう嗚咽が漏れるほど大号泣してしまいました。

 

つまり、「映画」の魅力と「プロレス」の魅力が融合した、唯一無二の新たなプロレス映画の誕生ということで、当然点数はこうなります。

 

100点満点!

 

 

 

 

 

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